2012年7月10日火曜日

和光&秋田元気ねっと

    特別栽培米って?  ~ムシと殺虫剤のハナシ~



 この4月から和光学食で出されているお米は秋田のお米


「なんで秋田?」と思っているあなた!和光と秋田とはとっても深いかかわりがあるのです。和光中学校は2年生の学習旅行で秋田県を訪れます。そして滞在期間中の三日間、全員が5~6人のグループに分かれ、一軒の農家で農作業や食事などの日常生活を体験します。そして、旅の最後には、旅行中に教わって練習した太鼓と踊りを、お世話になった父さん母さんに贈るのです。和光中学校は長い間この取り組みを毎年9月の稲刈りの時期に行ってきました。
秋田の父さん母さんは、毎年秋にやってくる和光生を楽しみに待っていてくれます。そんな秋田学習旅行受け入れ農家である、大仙市の佐々木義実さん。佐々木さんは、県のエコファーマーを取得、秋田県農業公社から特別栽培米の認証を取得し、和光学食にお米を提供してくれています。
佐々木さん特別栽培米とは、どんなお米なのか、お話を伺いました。

食の会:特別栽培米とはどんなお米ですか?
佐々木:一般に店頭に出ているお米より農薬と化学肥料を半分に抑えているお米のこと。つまり、農薬の使用回数20回      のところを10回以下に抑えているお米のこと。抑えれば、これを特別栽培米と言います。他にも、農家それぞれで     栽培技術がいろいろ違うから、細かく話すと結構長くなるなあ…

食の会:佐々木さんが特にこだわっているところは?
佐々木: 味は普通でもいいヵら、できるだけ安全な米を、と思っています。
俺の米は殺虫剤を使用しないので、ムシの被害、特にカメムシの被害でお米に黒い斑点がついてるんです。あ     きたこまちは早生品種なのでムシがつきやすい。カメムシは稲穂が出てまだ固くならない乳熟期(指で押すとピュ     ッと牛乳みたいなのがです時期)にくちばしを稲穂の中に入れて吸うんです。そしたらそこが黒い斑点になる。
お米の検査時に1000粒のお米の中に2つか3つ以上あると等級が下げられ、そして価格も下がるんです。 あ     んまり斑点があると農協で買ってくれないときもあります。だから出穂したら効き目が強く、効果の長い殺虫剤を2     回ほど散布するのが一般的です。
今はほとんどが空散です。つまりヘリコプター。安全よりも見た目これが現実です。
もうちょっと、殺虫剤の話をすると、一般にはビニールハウスで稲の苗を育てている時の苗箱の土に殺虫剤は混和されています。その時しなければ、田植えの時、同時に散布します。
これはカメムシではなく、イネドロオイムシやイネミズゾウムシを防除するためです。殺虫剤の免疫が出てくるので新しい薬がどんどん開発されてきています。俺の米は全く殺虫剤を使わないので、被害にあい、お米の収穫量も他の農家より少ない。「お前の田んぼに殺虫剤を撒かないから他の田んぼにうつるんだ!」俺から言わせれば「そっちが撒くから俺の田んぼに逃げてくるんだ!」と言いたいけど、同じ村の人にそれを言っちゃおしまいですね。」

食の会:どうして早生だとムシがつくんですか?
佐々木:早く稲穂が出るからムシがその品種に集中するんです。秋田県はほとんどがあきたこまちなので、当然そうなります。コシヒカリは晩生なのであまりムシにやられない。でもコシヒカリは秋田県には向かないんです。出穂が遅いので(こまちは8月初めごろ、コシヒカリは8月20日ごろ出穂します)、冷夏の時は不稔(お米にならない)になる恐れがあかなりあるので、誰も栽培したがらないんです。危険な賭けだから。
それと秋田では栽培が難しいし、農協に出すとこまちよりちょっと安いんです。


我々が何の気なしに選択している有機栽培米や無農薬米を作るその裏には、本当にたくさんの思いや苦労がつまっていることを強く感じました。佐々木さんは大仙市にある自らの農場を「百笑村」と名づけ、広く農業体験者などを受け入れながら、グリーンツーリズムの牽引役として地元で活躍しています。お話を伺う中で、佐々木さんのこだわりについて、もっともっといろんなことを聞いてみたくなりました。
ぜひ、百笑村のホームページに、アクセスしてみてください!


百笑村HPアドレス  http://www.hyakushomura-1.info/